1.ISOFIX方式のチャイルドシートとは
ISOFIXとアルファベットで書いて、アイソフィックスまたはイソフィックスやアイエスオー・フィックスなどと複数の呼び方があるようです。
ISOFIXとはチャイルドシートを従来のようにシートベルトにより固定するのではなく、専用金具で自動車のシートに固定するチャイルドシートの固定方式を言います。
自動車メーカーとチャイルドシートメーカーを巻き込むため、国際標準規格として採用されており、チャイルドシートのサイズによって7つの規格があるようです。
2.ISOFIXが出来た背景と効果
それまでのチャイルドシートは、シートベルトにより固定するタイプでした。これだと、車側に専用の金具など必要なく設置することはできるのですが、車のシートベルトの締め付けが弱かったりすると、結局チャイルドシートが安全性を発揮することが難しくなります。
せっかくチャイルドシートの製品性能が良くても、ユーザー側で取り付け方が悪いばかりに、自動車の運転時の衝撃をチャイルドシートとして安全機能を発揮して、赤ちゃんや幼児を守ることが十分できないリスクがあるのです。
この点、専用金具で固定するISOFIX方式であれば、チャイルドシートを設置する際のユーザーごとの設置ミスを最小限にすることができると考えられます。もちろん説明書に従ってきちんと設置しないといけないわけですが、コネクターを車側の金具に差し込むような方式であれば比較的間違いにくいということと想像します。
3.幼児用と乳児用の違い
幼児向けのチャイルドシートでは、「汎用ISOFIX」が存在しますので、同規格を満たしている最近販売の自動車であれば幅広く利用することができます。1から4才用で前向き専用のチャイルドシートであり、なおかつ、上部から「テザーベルト」で補助固定するタイプが汎用ISOFIXとなります。
これに対して乳児用や学童用のチャイルドシートでは「汎用ISOFIX」がありません。対応車種が限定される「準汎用ISOFIX」になります。幼児用であってもテザーベルト以外のサポートレッグなどで補助するタイプは「準汎用ISOFIX」と定義されるようです。
4.ISOFIX対応チャイルドシートのメリット
メリットは、背景で説明したような、取り付け時のミスを最小限にするということがひとつですが、それだけではありません。
チャイルドシートを取り付けたまま椅子を移動できるというメリットもあります。後部座席が移動するのはミニバンなどの限られた場合ではありますが、このようなケースでは、シートベルトと座席の位置関係が変わるため、シートベルト固定式の場合は再度調整が必要となります。
5.ISOFIX対応チャイルドシートの注意点
デメリットというか、使用できない場合があります。
販売の古い自動車ではISOFIXを取り付ける金具が設置されていませんので使用できません。基本的には2012年7月以降販売の自動車であれば対応がしているようですが、対応金具があるか、確認が必要ですね。
また、最近の自動車であってもそうなのですが、取り付け金具がついている場所が決まっており、この位置以外では設置ができないというのもシートベルト固定方式と比べてデメリットとはなるでしょう。
機能自体ではありませんが、価格帯もシートベルト固定方式に比べて高い価格帯とされているようです。より設計上複雑にはなるとは思われますので
しょうがないとは思いますが、ユーザーとしてはこの点をふまえて検討したいところではありますね。
6.まとめ
ISOFIX方式自体、上記で書いてきましたが、安全面ではシートベルト方式の場合にきちんと取り付けられないリスクを考えれば
安全性はアップするものと考えられますし、取り付ける際にユーザー側で
の苦労が減る部分は期待できます。
このため、シートベルト方式で取り付ける方法に自信が無い方や、手間が大変だと感じてるかたにとっては非常にバリューがある
チャイルドシートの方式となると思います。
特にヨーロッパでは日本以上にチャイルドシートで子供の安全を守る意識が高く、そのせいか、ISOFIXの普及が日本より
進んでいるようです。これから徐々に浸透していく方式であることは間違いないでしょう。
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